SNRI

原子力の安全

原子力発電の透明性を支える「短時間通告ランダム査察」

- ランダム査察とは国際原子力機関(IAEA)は、世界の平和利用目的の核物質が、軍事転用されないよう、様々な活動を行っています。その中の一つに、保障措置と呼ばれる制度があります。これは、各国がIAEAとの間で結んだ保障措置協定に基づき、核物質の計量管理や査察などを通じて、申告された核物質が、決められた用途以外に使われていないかを検証する活動です。ランダム査察は、この保障措置の一環として、抜き打ち的に実施される査察のことです。従来の査察は、事前に計画を立て、対象となる施設や査察官、日程などを当事国と調整した上で実施されていました。しかし、この方法では、事前に準備ができてしまうため、実際よりも核物質の管理状況が良く見えてしまう可能性があります。そこで、より実効性の高い査察方法として導入されたのが、ランダム査察です。これは、査察の実施直前に通告を行い、施設や査察官、日程などをランダムに決定することで、より実態に即した査察を可能にします。ランダム査察は、事前に準備ができないため、施設側にとっては負担が大きい検査となります。しかし、核物質の不正利用を未然に防ぎ、国際的な信頼性を高めるためには、非常に重要な仕組みと言えるでしょう。