
精子育成の要!セルトリ細胞
- セルトリ細胞の基礎
セルトリ細胞は、男性の精巣内部にある「細精管」と呼ばれる管状の構造体の壁に存在する細胞です。別名「基底細胞」とも呼ばれ、その名の通り細精管の基底部に位置しています。
セルトリ細胞は、他の細胞と比べて大型で、非常に特徴的な形をしている点が挙げられます。例えるなら、まるで細長い風船をいくつもくっつけたような形をしており、その突起を伸ばすようにして存在しています。また、細精管の壁全体を覆うように存在しているわけではなく、ところどころに点在しているという点も特徴です。
このセルトリ細胞、実は非常に重要な役割を担っています。精子のもとになる細胞である精祖細胞を、このセルトリ細胞が取り込み、守り、栄養を与えながら成熟させることで、最終的に精子へと分化させていくのです。つまり、セルトリ細胞は精子を作り出す「工場」の重要な役割を担っていると言えるでしょう。
また、セルトリ細胞は「血液精巣関門」というバリアを形成する役割も担っています。このバリアは、血液中にある有害物質や免疫細胞が精巣内へ侵入するのを防ぎ、精子を作り出す環境を守るために非常に重要です。
このように、セルトリ細胞は精子の産生において非常に重要な役割を担っている細胞であると言えます。