
世界が手を組む核燃料の安全: 世界核燃料安全ネットワークとは
1999年9月30日、茨城県東海村にあるJCOウラン加工工場で、核燃料物質を加工中に、核分裂の連鎖反応が制御不能となる臨界事故が発生しました。この事故は、作業員の方々が被ばくするなど、核燃料サイクル施設における深刻な事故として、国際社会に大きな衝撃を与えました。
この事故を教訓に、世界中の原子力関係者は、二度とこのような事故を起こしてはならないという強い決意を新たにしました。そして、事故の原因を徹底的に究明し、その結果を共有するとともに、事業者間で安全に関する情報交換を積極的に行い、互いに学び合い、安全文化を共有し、高めていくことの重要性を再認識しました。この認識に基づき、世界中の核燃料産業に関わる事業者が、自らの経験や教訓を共有し、安全性の向上に向けて共に努力していくための枠組みとして、世界核燃料安全ネットワークが設立されることになりました。