
「返還廃棄物」:原子力発電の課題
- 返還廃棄物とは原子力発電所で使われた燃料(使用済み燃料)は、再処理という工程を経て、まだ使える資源と放射線を出す廃棄物に分けることができます。日本で出る使用済み燃料は、再処理をイギリスとフランスに頼んでいますが、その際にどうしても放射線を出す廃棄物が出てしまいます。このうちの一部は、日本が責任を持って引き取ることになっており、これを「返還廃棄物」と呼びます。返還廃棄物は、ガラスと混ぜて固めるなど、厳重な処理を施した上で、人が住んでいない地下深くに保管する計画が進められています。これは、放射線が十分に弱まるまでの長い期間、安全を確保するためです。返還廃棄物の保管は、原子力発電の恩恵を受けた私たちが、将来世代に対して責任を果たすために、避けて通れない重要な課題といえます。