
電源不要で活躍する宇宙の計測器
- 計測器の種類原子力分野において、目に見えない粒子線を捉え、その特性を調べることは非常に重要です。そのために用いられるのが放射線計測器ですが、大きく分けて二つの種類に分類されます。一つは「アクティブ型」と呼ばれるもので、これは外部から電力を供給する必要があるという特徴があります。電力を用いることで、微弱な信号を増幅したり、複雑な処理を行ったりすることが可能となり、高感度かつ多様な情報を取得することができます。しかし、その反面、電源の確保が必須となるため、利用場所が限られるという側面も持ち合わせています。もう一つは「パッシブ型」と呼ばれるもので、こちらは外部からの電力供給を必要としません。粒子線が計測器自身に及ぼす物理的・化学的な変化を記録することで、間接的に粒子線の情報を得ます。外部からの電力供給が不要なため、電源の確保が難しい場所、例えば宇宙空間や深海などでの利用に適しています。しかし、アクティブ型と比較すると、一般的に感度が低く、得られる情報も限られるという側面があります。このように、アクティブ型とパッシブ型はそれぞれに特徴があり、測定の目的や環境に応じて使い分けられています。