
放射性廃棄物と減容処理
- 減容処理とは原子力発電所では、日々の運転や施設の解体によって、放射能を帯びた廃棄物が発生します。この廃棄物は、そのままの形で保管したり処分したりするには、非常に広い場所が必要となってしまいます。そこで、廃棄物の体積を小さくして、保管や処分をしやすくする技術が「減容処理」です。減容処理には、主に以下の方法があります。* -圧縮処理- 廃棄物をプレス機などで押しつぶして、体積を小さくする方法です。金属製のドラム缶や、使用済み燃料の集合体などを小さくするのに用いられます。* -焼却処理- 可燃性の廃棄物を高温で燃やし、体積を減らす方法です。燃え残った灰は、さらに処理を行ってから保管・処分されます。この処理は、紙や布、プラスチック類など燃える性質の廃棄物に有効です。* -溶融処理- 金属製の廃棄物を高温で溶かし、体積を減らす方法です。溶けた金属は、型に流し込んで固められます。この処理は、配管や機器など、金属でできた廃棄物に適しています。減容処理を行うことで、放射性廃棄物の保管スペースを減らせるだけでなく、輸送にかかる費用や、最終的な処分場の負担を軽減することにも繋がります。そのため、原子力発電所における廃棄物管理において、減容処理は非常に重要な役割を担っていると言えます。