電気を届ける力持ち:送電の秘密

電気を届ける力持ち:送電の秘密

電力を見直したい

先生、発電した電気はどうやって家のコンセントまで届くのですか?

電力の研究家

いい質問だね!発電所で発電された電気は、送電線を通って運ばれてくるんだ。高い電圧で送ることで、ロスを減らしているんだよ。

電力を見直したい

送電線って、あの鉄塔のものですか?

電力の研究家

そうだよ。あの鉄塔と電線が送電線で、発電所からみんなの街まで電気を運んでくれているんだ。

発電所から街まで

発電所から街まで

私たちの生活に欠かせない電気は、発電所で生み出された後、長い道のりを経て、家庭やオフィスなどに届けられます。発電所で作られた電気は、そのままの電圧では、遠くまで送電する間に大きなエネルギーロスが発生してしまいます。そこで、電気を効率よく送るために、変電所という施設で電圧を変換する必要があります。
発電所で作られた電気は、まず、発電所内にある変電設備によって、送電に適した高い電圧に変えられます。その後、鉄塔と送電線で繋がれた変電所へと送られます。変電所では、送られてきた高電圧の電気を、地域ごとに適した電圧に変換する役割を担っています。変電所を出た電気は、電柱の上にある変圧器を通ることで、家庭やオフィスなどでも安全に使える電圧へと変換され、私たちのもとへと届けられます。
このように、発電所で作られた電気は、変電所での電圧変換という重要なプロセスを経て、私たちの生活を支えるエネルギーとして活躍しています。

場所 プロセス 説明
発電所 発電 電気を作る
発電所内 昇圧 送電に適した高い電圧に変換
変電所 降圧 地域ごとに適した電圧に変換
電柱上の変圧器 降圧 家庭やオフィスで安全に使える電圧に変換

電線の役割

電線の役割

電線は、発電所で作り出された電気を、私たちが普段生活する場所まで送り届けるための、言わば電気の通り道です。電線は、主に電気をより遠くまで、より少ないロスで届けるために、抵抗の少ない銅やアルミニウムなどの金属で作られています。電気は抵抗の少ない物質ほど流れやすい性質を持っているためです。また、電線は電気を運ぶという重要な役割を担うため、風雨にさらされても錆びにくく、高い強度を持つように工夫されています。さらに、送電線と呼ばれる高圧電流を運ぶ電線の場合、電圧によるエネルギーの損失を抑えるため、電流の値を小さくして送電しています。電圧が高いと感電の危険性が高まるため、送電線は鉄塔と呼ばれる高い構造物によって地面から高く設置され、私たちが安全に電気を使えるようになっています。

電線の役割 特徴 工夫
発電所で作り出した電気を、私たちが普段生活する場所まで送り届ける。 電気の通り道。
抵抗の少ない銅やアルミニウムなどの金属でできている。
風雨にさらされても錆びにくく、高い強度を持つ。
送電線(高圧電流を運ぶ電線) 電圧が高いと感電の危険性が高まる。 電圧によるエネルギーの損失を抑えるため電流の値を小さくして送電している。
鉄塔によって地面から高く設置されている。

変電所の役割

変電所の役割

– 変電所の役割

電気は、発電所で作られた後、遠くまで送電されますが、発電所で作られた電気のままでは、家庭や工場で使うことができません。なぜなら、発電所で作られる電気は、送電中の電力損失を抑えるために、非常に高い電圧に変換されているからです。

そこで活躍するのが「変電所」です。変電所は、発電所から送られてきた高い電圧の電気を、家庭や工場で安全に使える電圧に変換する役割を担っています。

変電所の中心となる設備が「変圧器」と呼ばれる装置です。変圧器は、電磁誘導という現象を利用して、電圧を上下させることができます。高い電圧の電気を変圧器に通すことで、家庭や工場で使える100ボルト程度の電圧に変換されます。

変電所は、電圧の変換だけでなく、電気を安定供給するための役割も担っています。例えば、雷などによる停電を防ぐための保護装置や、電力会社が電気の流れを監視するための制御装置なども備えています。

このように、変電所は、私たちの暮らしに欠かせない電気を、安全かつ安定的に供給するために、重要な役割を担っている施設と言えるでしょう。

変電所の役割 詳細
電圧変換 発電所で作られた高電圧の電気を、家庭や工場で使える100Vに変換する。変圧器が中心的な役割を果たす。
安定供給 雷などによる停電を防ぐ保護装置や、電力会社が電気の流れを監視する制御装置などを通じて、安定した電力供給を確保する。

送電の未来

送電の未来

– 送電の未来近年、地球温暖化対策やエネルギー安全保障の観点から、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が急速に進んでいます。これらの再生可能エネルギーは、従来の火力発電や原子力発電とは異なり、発電量が天候に左右されやすく、また、発電設備が都市部から離れた場所に設置されることも多いという特徴があります。そのため、発電された電力を効率的に消費者に届けるためには、送電システムの抜本的な改革が求められています。従来の送電システムは、大規模な発電所から都市部などの需要地に向けて電力を一方向に送ることを前提として構築されてきました。しかし、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、都市部を含む様々な場所で発電が行われるようになり、電力系統の構成は複雑化しています。このような状況に対応するため、電力の流れをリアルタイムで制御し、需要と供給のバランスを最適化するスマートグリッドの構築が急務となっています。また、送電損失を抑制し、より多くの電力を効率的に送電するため、直流送電技術の導入も期待されています。直流送電は、交流送電に比べて送電損失が少ないというメリットがあり、長距離送電に適しています。再生可能エネルギーが豊富に存在する地域から需要地まで電力を効率的に輸送するため、直流送電網の整備が進められています。さらに、送電線の設備老朽化への対応も重要な課題です。高度経済成長期に建設された送電線は、今後、更新時期を迎えるものが多く、老朽化した設備の改修や最新の技術を導入した設備への更新が不可欠です。送電システムは、エネルギー供給の基盤を支える重要なインフラストラクチャです。再生可能エネルギーの導入拡大や電力システムの高度化に対応するため、今後も積極的に技術開発や設備投資を進めていく必要があります。

課題 対策 詳細
再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力系統の複雑化 スマートグリッドの構築 電力の流れをリアルタイムで制御し、需要と供給のバランスを最適化する。
送電損失の抑制 直流送電技術の導入 交流送電に比べて送電損失が少なく、長距離送電に適している。
送電線の設備老朽化 老朽化した設備の改修や最新の技術を導入した設備への更新 高度経済成長期に建設された送電線は、今後、更新時期を迎えるものが多いため。